GLOSSARY / 水商売用語

本指名ほんしめい

業務・経営用語キャバクラ

客が来店時(または来店前)にあらかじめ特定のキャスト名を伝えて指名すること。

定義

客が来店時(または来店前)にあらかじめ特定のキャスト名を伝えて指名すること。入店した瞬間からその指名キャストが席につき、原則そのセット中ずっと専属で接客する継続的・リピーター型の指名で、指名なしの「フリー」、店内でその場で選ぶ「場内指名」と対比される、指名のなかでも中核となる区分。一度接客して気に入った相手を「また会いたい」と再び選ぶ流れで生まれるため、来店前に相手が決まっている点が場内指名との最大の違い。本指名はキャストと店の売上評価の中核で、指名料に加え、その卓で発生した売上に対する小計(売上)バック・ドリンクバック・ボトルバックなどが本指名キャストに帰属する。これに対し場内指名は場内指名バックのみで、卓会計に応じたバックは基本つかない。なお店舗・地域(特に関西)によっては本指名を「A指名」「場外指名」、場内指名を「B指名」とも呼ぶが、これは地域・店舗ごとの呼び方で全国共通の業界統一語ではない。新人がまず場内指名を積み重ね、リピートしてもらって本指名へ昇格させるのが王道の営業ルート。

読み・由来

読み:ほんしめい

「本(ほん)=本来・本命の指名」の意で、来店前に決まっている正式な指名を指す。来店後その場で行う「場内指名」に対し、店の外(来店前)で決める指名であることから「場外指名」とも呼ばれる。関西(大阪)を中心に本指名を「A指名」、場内指名を「B指名」と呼ぶ店が多いが、東京などでは「本指名/場内指名」が一般的で、A/B呼称は地域色の強いローカル用法。ホストクラブや銀座系の高級クラブでは「永久指名制(一度本指名した担当は在籍中は原則変更不可)」として制度化している店が多く、客の取り合い(爆弾行為)を防ぐ業界慣習として定着した。高級クラブ・ラウンジでは類似の仕組みを「担当制」「係制(口座制)」と呼ぶ(来店経路で自動的に担当が決まる点が、客が選ぶ指名制とは厳密には異なる)。なお「本指名=場外指名=A指名」の同義整理や相場・慣習の記述は複数の業界情報サイト由来で、公的・学術的な定義出典ではない。

使い方(例)

「今日は◯◯さんで」と入口でスタッフに伝えるのが本指名。来店した瞬間から担当が席につく。/「新人はまず場内指名を積み重ねて、リピートしてもらって本指名に昇格させるのが王道だよ」。本指名のお客様を呼べるほど指名料バック+売上・ドリンク・ボトルバックが積み上がり、給料が上がる。

業態による違い

キャバクラ:指名料の相場は1セットあたり2,000〜3,000円(地方1,000〜2,000円、都心3,000円〜、高級店は5,000円超も)。場内指名(1,000〜2,000円前後)の約2倍が目安。指名はお客様が毎回自由に選べる「自由指名制」が主流で指名キャストの変更も可能だが、本指名にはボトル・売上バックが付く点が場内指名との決定的な差。高級店など一部には永久指名制を採る店もある。/ホストクラブ:本指名=永久指名(一度決めた担当は在籍中は原則変更不可。トラブル・長期未来店・離職時などは例外)が広く採られている強い慣行で、多くの店が採用する一方、近年は自由指名制を導入する店も増えている=全店共通の絶対ルールではない。歩合制・場所代負担の構造が背景にあり、送り指名・ヘルプ指名・場内指名と多段構成。指名料は1,000〜5,000円程度。※メンズキャバには永久指名制は基本ない。/高級クラブ・ラウンジ:「指名制」ではなく「担当制」「係制(口座制)」と呼び、内容は永久指名に近い(来店経路で自動的に担当が決まる点が指名制と異なる)。本指名料は2,000〜5,000円程度とキャバより高め。/スナック:指名文化は希薄でママ・ホステス制が中心、本指名という明確な区分は弱い(指名料を取らない店も多い)。※スナックの扱いは情報源が乏しく業態構造からの推定を含む。

夜レジでの扱い

夜レジ(POS)の指名管理の基幹概念。会計時に「本指名/場内指名/同伴/フリー」の指名区分を入力すると、確定と同時にバックが自動振り分けされる。本指名キャストには (1) 指名バック(バック種別の単価円×回数、または指名料の%)、(2) 本指名売上バック(卓の売上ベース×バック率)、(3) ドリンク・ボトルバック等が帰属する。複数の本指名がいる卓は売上ベースを均等割りしてから全卓を累積し、丸めは最後に1回だけ行って計算誤差を防ぐ。逆に本指名がいないフリー卓のボトルバックは、場内指名キャスト全員で均等割りする。さらに本指名売上はスライド時給の評価軸の一つになり、スライド時給=max(本指名売上ベース時給, ポイントベース時給, 保証時給)を日ごとに採用し、月は労働時間で加重平均して自動算出する。バックの自動振り分けの詳しい仕組みは「キャストバック」機能ページ(/reji/features/cast-back/)で解説している。一般的なPOS(エアレジ/スマレジ等)は標準機能ではこうした指名区分別バックや本指名売上スライドの自動計算を持たないことが多く手計算になりがち、という点が夜レジの訴求点で、機能の全体像は機能一覧(/reji/features/)、料金は料金ページ(/reji/pricing/)で確認できる。

相場・注意点

本指名は店の売上安定と給与査定の両面で最重要KPI。給料構成は概ね「(時給×勤務時間)+各種バック−(源泉徴収+雑費・送迎代)」で、各種バックの大半が本指名関連で動く。本指名バックの相場は1本500〜3,000円(高級店ほど高単価。固定額制と「指名料の50%バック」等のフルバック制の双方がある)。時給査定では本指名スライド、ポイントスライド(本指名1P・場内0.5P・同伴2P等)、給率制(給率=給料÷売上×100。分母の「売上」は本指名売上に限らずそのキャスト個人の総売上=本指名・場内・ドリンク・ボトル等を含み、サービス料・消費税を除いた「小計」を用いる店が多いが総売上を使う店もあり店ごとに異なる)など、本指名本数・本指名売上が直接時給に連動する仕組みが広く使われる。給率は数値が低いほど優秀とされ、昇給(時給アップ)の判定ボーダーは店舗により50%〜80%等とまちまちで、業界共通の固定基準ではない。ホステスの源泉徴収は計算期間中の日数(暦日数)を控除して算出する(日数の数え方は最高裁判例ベース)。なお指名料・バックの金額は店舗・地域・ランクで大きく変動する「相場」であり確定値ではなく、出典間でもレンジに幅がある点に留意。スナックでの本指名区分の扱いは情報源が乏しく、業態構造からの推定を含む。

よくある質問

本指名と場内指名はどう違う?
来店前に相手が決まっているのが本指名(地域・店舗によってはA指名・場外指名とも)、店内で接客を受けてからその場で指名するのが場内指名(同じくB指名とも。A/B呼称は主に関西で使われる地域色の強い呼び方です)。最大の違いはバックで、本指名は指名料に加えて卓の売上・ドリンク・ボトルなどのバックが帰属しますが、場内指名は場内指名バックのみで卓会計に応じたバックは基本つきません。
本指名はなぜ給料に効くの?
本指名本数と本指名売上が時給査定に直結するためです。本指名スライド、ポイントスライド(本指名1P・場内0.5P・同伴2P等)、給率制(給料÷売上×100で評価。分母はそのキャストの総売上で、低いほど優秀)など、本指名を軸にした評価が広く使われます。指名料バックに加え売上・ドリンク・ボトルバックも乗るので、本指名のお客様を呼べるほど給料が積み上がります。
永久指名はどの業態の制度?
ホストクラブと高級クラブ・ラウンジ(担当制・係制/口座制)で広く見られる慣行で、一度本指名した担当は在籍中は原則変更できません。ただしホストでも全店共通の絶対ルールではなく、近年は自由指名制の店も増えています。キャバクラは毎回自由に選べる自由指名制が主流で指名キャストの変更が可能ですが、高級店など一部には永久指名制を採る店もあります。
出典(13件)・監修

監修:中込 洸(日富士貿易 代表/夜レジ統括)。業務用語は実機仕様、相場・スラングは複数の業界情報を突合し敵対的レビューで検証。最終更新:2026-06-19。

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