定義
キャスト個人の「給与(総支給額)」と「売上」の比率=給率(給率(%) = 給料 ÷ 売上 × 100)を基準に、時給やバック率を変動させる水商売の給与システム。給率は「支払った給料に対してどれだけ売上を作ったか」を示す評価指標で、低いほど店にとって利益率の高い(=優秀な)キャストと見なされる。
算出に使う売上は、サービス料(TAX)・消費税を抜いた「小計」を分母にするのが一般的。給率100%なら給料=売上で、100%超は「赤字キャバ嬢」、100%未満は「黒字キャバ嬢」と呼ばれる。多くの店は売上が一定額を超えるごとに率を見直す「スライド制」と組み合わせて運用し、給率が下がる(=売上が伸びる)と時給・バックが上がる設計が主流。なお給率はあくまで評価指標で、実際の給与は時給+各種バックで構成される点に注意。
なお「率」が評価指標(給料÷売上。低いほど優秀=キャバ・ラウンジ系の主流)を指すか、取り分のバック率(高いほど取り分が大きい=ホスト・売上制系)を指すかは業態で逆転するため、必ず後述の業態差を確認してほしい。
読み・由来
読み:きゅうりつせい
「給率(給与率)」は、一般企業の経営指標でいう「人件費率」に近い考え方を、ナイトワークでキャスト個人の成績・コスト評価に転用したもの。キャバクラ・ラウンジ・ホストクラブなどの給与設計や求人・体入文化のなかで慣用語として定着した業界用語で、特定の法令・制度に基づく正式名称ではない。読みは「きゅうりつ(せい)」、正式には「給与率(きゅうよりつ)」とも表記される。出自の明確な一次資料は確認できず、複数の業界メディア・税理士解説で同義に使われている。
使い方(例)
「うちは給率制だから、給率が60%切ったら自動で時給上がるよ」
「給率=給料÷売上×100。今月は給料50万・売上100万だから給率50%、優秀ラインだね。給率は小計で計算するから、サービス料とTAX抜いた額が分母になる」
業態による違い
キャバクラ・ラウンジでは「給率=低いほど優秀(黒字)」という評価指標+時給スライドの文脈で語られるのが主流。ホストクラブでは同じ「給率」より「バック率(歩合率)」「スライド制」「小計バック/総計(総売)バック」という言い回しが一般的で、こちらは率が高いほどホストの取り分が多い(売上が伸びるほど率が上がるスライド)方向で語られる。
分母となる売上には、純粋な飲食代・セット料金・指名料などの「小計」と、サービス料(TAX、小計の20〜35%前後)+消費税を加えた「総売(総計)」の二系統があり、同じ率でも総売ベースの方が支給額は大きくなる。算出はキャバ・ラウンジ・ホストいずれも小計基準が一般的との解説が多い。
夜レジでの扱い
夜レジの給与計算は、給率制が前提とする「スライド」と「バック」をそのまま自動化できる設計になっている。スライド時給は max(本指名売上ベース時給, ポイントベース時給, 保証時給) を日次で採用し、月額は労働時間で加重平均して自動算出。バックは5系統(指名/延長/オーダー商品/本指名売上/ボトル)で計算し、フリー卓のボトルバックは場内指名キャスト全員で均等割り(丸めは最後に1回だけ)。バック率は伝票・出勤の時点で凍結するため、率の改定が過去伝票に遡及する事故も防げる。算出されたバックは時給・勤怠・交通費・源泉・厚生費とあわせて給与計算へ反映し、報酬明細書として出力。ホステス源泉徴収は計算期間の日数を控除して算出する(日数の数え方は最高裁判例ベース)。
給率の式そのもの(給料÷売上)は店ごとの評価ロジックだが、その分母になる「小計売上」と分子になる「時給+バック」を正確に積み上げるのが夜レジの役割。一般POS(エアレジ/スマレジ)はスライド時給やバックの自動計算に非対応で、結局は手計算・Excel頼みになりがち。
→ バック計算の詳細は /reji/features/cast-back/ 、機能の全体像は /reji/features/ 、料金プランは /reji/pricing/ を参照。
相場・注意点
給率の評価相場は小計ベースが一般的で、おおむね40〜50%=成績優秀で時給アップ、50〜80%=時給キープゾーン(「50%が標準」とも言われる)、80%以上で時給ダウン傾向、100%超は赤字=時給ダウンや解雇対象という見方が多い。エースクラスは60%以下とされる。給率に応じた時給スライド例として、給率41〜50%→時給5,000円、51〜60%→4,000円、61〜70%→3,500円(低給率ほど高時給)といった設計が紹介されている。 ただしスライドの境界値(80%/60%/50%など)や時給・バックへの反映率は店ごとにバラバラで、業界標準値は存在しない(複数ソースが明言)。また「給率」には二つの語られ方があり、(1)キャバ・ラウンジ系の主流=給率は給料÷売上の人件費率で低いほど優秀、(2)売上制・ホスト系の一部=売上が伸びるほど率(≒バック率)が上がり給料が増える、という言い回しが混在する。矛盾ではなく「率が何を指すか」の違いだが混同されやすいので、求人や面接で給率制と聞いたら必ず分母(小計か総売か)と方向(評価指標かバック率か)を確認するのが安全。
よくある質問
- 給率はどうやって計算しますか?
- 給率(%) = 給料 ÷ 売上 × 100 で求めます。分母の売上は、サービス料(TAX)や消費税を抜いた「小計」を使う店が一般的です。たとえば給料50万円・小計売上100万円なら給率50%で、優秀ラインとされます。
- 給率は高いほうがいいのですか、低いほうがいいのですか?
- キャバクラ・ラウンジの主流の考え方では、給率は「低いほど優秀」です。給料に対して大きな売上を作っている=店にとって利益率が高いキャストという意味になります。100%を超えると給料が売上を上回る「赤字」状態とされます。ただしホストや売上制の一部では、率が高いほど取り分が増える「バック率」として語られることもあるため、どちらの意味かは店に確認しましょう。
- 給率の良い・悪いの目安はありますか?
- 小計ベースで、40〜50%=優秀で時給アップ、50〜80%=時給キープ、80%以上=時給ダウン傾向、100%超=赤字、エースは60%以下、というのが一つの目安です。ただし境界値や時給への反映は店ごとに大きく異なり、業界標準値はありません。
出典(12件)・監修
監修:中込 洸(日富士貿易 代表/夜レジ統括)。業務用語は実機仕様、相場・スラングは複数の業界情報を突合し敵対的レビューで検証。最終更新:2026-06-19。
- https://note.com/cabajob/n/nb5f73fe88e2e
- https://cabawork.net/salary-rate/
- https://lounge-tapioca.com/info/8461/
- https://emily-job.jp/column/money/13976/
- https://www.lounge-baito.com/blog/column/10957/
- https://nightwork-recommend.jp/cabaretclub/column/8901/
- https://www.kabukicaba.com/kabukityo/2002/
- https://fuu-tax.com/news/salary-structure/
- https://hostjob.jp/magazine/22/
- https://www.host-pepper.com/feature/3/
- https://hostwork.jp/%E3%83%9B%E3%82%B9%E3%83%88%E7%B5%A6%E6%96%99%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0/
- https://yoruno.jp/reji/features/cast-back/