定義
キャバクラ・クラブ・ホスト・ラウンジ・スナックなどで、遅刻・当日欠勤・無断欠勤・ノルマ未達・風紀違反といった「店のルール違反」に対して店側がキャスト/ホストに科す金銭的ペナルティの総称。現場では英語由来の「ペナルティ(略してペナ)」とほぼ同義で使われる。
実務上の特徴は、現金でその場徴収するより、月末の給与(時給+バック)から天引き(控除)する形で精算されることが多い点。対象となる主な違反は(1)遅刻 (2)当日欠勤(当欠) (3)無断欠勤(無欠) (4)ノルマ未達(指名・同伴・売上・イベント) (5)風紀違反(スタッフや客との恋愛等)で、ホストではこれに加えて売掛金の未回収・移籍・爆弾(タブー)行為も罰金対象になることがある。金額は店舗・地域・ランク・曜日(週末/イベント日)で大きく振れ、無断欠勤や風紀違反ほど重くなる傾向。近年は事前連絡や正当な理由があれば免除する店、そもそもノルマ・罰金を設けず「達成=賞金」型に移行する店も増えている。
読み・由来
読み:ばっきん
一般語の「罰金(法令違反などに科される金銭的制裁)」が、水商売の店内ルール運用に転用されたもの。実態は労働法上の「過怠金」「制裁金」に近く、業界内では英語由来の「ペナルティ(略してペナ)」と言い換えられることが多い。源泉徴収をめぐる裁判例でも「『ペナルティ』と称するホステスが欠勤、遅刻等をした場合の『罰金』」と表現されており、現場語としての「罰金=ペナ」の定着がうかがえる。(典拠:最判平成22年3月2日 ホステス報酬源泉徴収事件・民集64巻2号420頁)
使い方(例)
「当欠したらペナで時給2〜3時間分引かれた」(当日欠勤の罰金が給与から天引きされた、の意)
「遅刻10分でペナ2,000円って店が多いよね」「うちは事前連絡すれば当欠でも罰金取らないよ」(相場と、正当事由・事前連絡による免除運用の会話)
業態による違い
キャバクラ/ラウンジ/クラブ=遅刻・当欠・無欠・ノルマ(指名/同伴/売上)・風紀が罰金の中心。銀座系の高級クラブは「同伴ノルマ未達=日給100%×不足本数」「ヘアセット義務違反で日給50%カット」など独自の厳しい運用も見られる。
ホストクラブ=タイムカード管理が厳格で1分の遅刻も対象になりやすく、売掛(未回収金)の天引き・移籍金・爆弾(タブー)行為で50万〜100万円といった独自の高額項目があるのが特徴。一方で近年はノルマ・罰金なし化、「未達=罰金」より「達成=賞金」へ移行する流れもある。
スナック=小規模でなじみ客中心のため、明文化された罰金制度自体がない、または緩い店が多い(ただしスナック単独の罰金実態に絞った信頼性の高い出典は乏しく、「大型店ほど厳しい」という一般論からの推定)。
夜レジでの扱い
夜レジ(水商売特化POS)は、罰金そのものを推奨も否定もしない中立の立場。役割は「天引き前のバック・売上・勤怠を正確に可視化し、控除の前提となるデータを整える」ことにある。
罰金(天引き)は手取りの算定に直結する項目なので、その根拠となる勤怠・売上・バックが正確でないと適正に運用できない。夜レジは(1)日報・月報の自動作成で遅刻/当欠などの勤怠を記録し、(2)キャストバック(指名/延長/オーダー商品/本指名売上/ボトルの5系統)を自動集計、(3)スライド時給(その日の時給=本指名売上ベース・ポイントベース・保証時給のmaxを採用し、月は労働時間で加重平均)まで自動化する。これにより「控除前にいくら稼いでいたか」が手計算なしで明確になり、罰金天引きの透明性とトラブル防止に寄与する。
また、ホストの未回収罰金の根拠になりやすい売掛は、夜レジの売掛管理機能で回収状況を追える。エアレジ/スマレジ等の一般POSはこうした夜商売特有の集計(バック・ノルマ・指名別単価)に非対応で、計算が手作業になりがちな点が差になる。バック計算の中身は機能ページ「キャストバック自動計算」(/reji/features/cast-back/)、プランごとの搭載範囲は料金ページ(/reji/pricing/)で確認できる。
相場・注意点
相場はあくまで業界メディア・求人サイト等が挙げる一例で、店舗・地域・ランク・時期で大きく振れる(一次統計ではない)。●遅刻=10分で1,000〜2,000円、30分で5,000円程度(時間に応じ段階加算) ●当日欠勤(当欠)=時給2〜3時間分、または1万〜3万円程度。週末・イベント日は増額、診断書提出で免除される店もある ●無断欠勤(無欠)=最も重く、時給5時間分以上/日給全額/一律2〜3万円、店により3万〜5万円や「日給の3倍」 ●ノルマ未達=指名1本2,000〜3,000円、同伴1本1,000〜2,000円、売上は不足額の5〜20%や翌月の時給減額(スライド) ●風紀違反=数十万円〜(店により20万〜100万円)と極端に高額で退店処分を伴うことも。ホストは売掛未回収の天引きや移籍・爆弾行為で50万〜100万円という独自項目がある。 【法的論点(中立に注記)】これらの罰金は、労働基準法16条(賠償予定の禁止)・24条(賃金全額払いの原則)・91条(減給の制裁は1回が平均賃金の半額以内、かつ総額が月給の1/10以内)に抵触する可能性が高く、実態が雇用とみなされれば無効・返還請求の対象になりうる、とする弁護士・行政の解説が多い。一方で「個人事業主(業務委託)契約だから適法」と説明する事業者向け情報もあり、見解は分かれている。実態が雇用か業務委託かは個別判断であり、ここでは断定しない。働く側は入店前に、罰金の対象・金額・免除条件(事前連絡や正当事由)・天引きの有無まで具体的に確認するのが王道。
よくある質問
- 罰金とペナルティ(ペナ)は違うものですか?
- ほぼ同じものを指します。現場では英語由来の「ペナルティ(略してペナ)」と呼ぶことが多く、「罰金」はその日本語表現です。遅刻・当欠・無欠・ノルマ未達・風紀違反などのルール違反に対して科され、現金徴収よりも月末の給与(時給+バック)からの天引きで精算されるのが一般的です。
- 罰金は給与から天引きしても問題ないのですか?
- 見解が分かれます。実態が雇用なら、労働基準法24条(賃金全額払い)や91条(減給の制裁の上限)、16条(賠償予定の禁止)に抵触し無効・返還の対象になりうる、とする弁護士・行政の解説が多くあります。一方で「個人事業主契約なら適法」とする事業者向け情報もあります。雇用か業務委託かは個別判断のため、夜レジ用語集では適法・違法を断定せず、対象・金額・免除条件を入店前に確認することをおすすめします。
- 罰金の相場はどのくらいですか?
- 目安として、遅刻は10分で1,000〜2,000円、当欠は時給2〜3時間分または1万〜3万円程度、無欠は最も重く一律2〜3万円や日給全額・日給の3倍など、ノルマ未達は指名1本2,000〜3,000円・同伴1本1,000〜2,000円ほど。風紀違反やホストの売掛未回収・爆弾行為は数十万円〜100万円と極端に高額な例もあります。いずれも店舗・地域・曜日で大きく変わるため、実額は各店で要確認です。
出典(15件)・監修
監修:中込 洸(日富士貿易 代表/夜レジ統括)。業務用語は実機仕様、相場・スラングは複数の業界情報を突合し敵対的レビューで検証。最終更新:2026-06-19。
- https://emily-job.jp/column/trouble/8774/
- https://lounge-tapioca.com/info/11103/
- https://www.cabaito.jp/next/business_2464.html
- https://naisuta.com/column/kyaba-bakkin/
- https://lulinego.jp/cabaretclub-bakkin/
- https://ginza-luce.net/information/exclusive-tips-ginza-hostess/beginner-for-nightclub/quotas-and-fines-their-types-and-amounts-nightwork-in-ginza-hostess/
- https://hostjob.jp/magazine/1756/
- https://wakailaw.com/fuzoku/6509
- https://www.grow-manager.jp/media/business-tips/cast-penalty-labor-law
- https://hcm-jinjer.com/blog/jinji/labor-standards-act_article-16/
- https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/koyou/q6.html
- https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-38522.pdf
- https://president.jp/articles/-/644?page=1
- https://yoruno.jp/reji/features/cast-back/
- https://yoruno.jp/reji/pricing/