定義
店舗がキャストに支払う給料・報酬から、源泉所得税などの税金や、厚生費・送り代・ヘアメイク代・衣装レンタル代・罰金(ペナルティ)といった各種費用をあらかじめ差し引くこと。差し引かれる項目は現場で「引かれもの(引かれ物)」と総称され、総支給(時給+各種バック)から天引き分を引いた残りが「手取り」になる。代表格は誰でも避けられない「源泉徴収(源泉所得税)」で、明細には『源泉税』『所得税』などと記載される。一方、厚生費・送り代・ヘアメ代などの店都合の天引きは店ごとに種類も金額も大きく異なり、無料の店もある。なお、税・社会保険料以外の控除は、雇用契約の場合は労使協定(過半数代表との書面協定)がないと労働基準法24条(賃金全額払い)に反し違法とされうるため、「天引き=合法」とは限らない点に注意。
読み・由来
読み:てんびき
「天引き」自体は水商売特有の俗語ではなく、給与・報酬の支払い時に税金や費用を支払者側があらかじめ差し引く一般的な経理・労務用語。水商売の文脈では、源泉徴収(所得税の天引き)に加え店舗運営費や規律違反の罰金まで幅広く差し引かれる慣行があり、現場ではこれら控除対象を「引かれもの/引かれ物」と呼ぶ文化が定着している。ホステス等の報酬に対する源泉徴収の根拠は所得税法204条。
使い方(例)
「時給は高く見えたけど、源泉と厚生費と送り代を天引きされたら手取りはこんなものか」「うちの店は引かれものが多いから、明細で天引きの内訳をちゃんと確認したほうがいいよ」
業態による違い
源泉徴収(所得税の天引き)はキャバクラ・クラブ・ラウンジ・スナック・ガールズバー等すべての業態で共通して発生し、避けられない。一方、厚生費・送り代・ヘアメ代・衣装レンタル代・罰金などの「店都合の天引き」は店・業態によって有無も金額も大きく異なる(送りやヘアメが無料の店もある)。また給与(雇用契約)か報酬(業務委託)かで扱いが変わり、報酬の店は社会保険を本人が自己負担し、源泉のみ天引きされる構造になりやすい。
夜レジでの扱い
夜レジは天引き(特に源泉所得税)を給与計算に統合し、報酬明細書で内訳化する。実機ロジックでは、源泉所得税を「ホステス報酬」として『(報酬額 − 5,000円 × 計算期間の日数) × 10.21%』方式で自動計算する。ここでいう計算期間の日数は営業日数・出勤日数ではなく、計算基礎期間の全日数(初日〜末日)を用いる。明細書には勤怠・支給(スライド時給+各種バック)・控除(所得税額ほか)・差引支給額が記載され、厚生費は3方式に対応し、源泉所得税(ホステス控除)まで自動で報酬明細書PDFを出力できる。料金・バック率・時給は伝票・出勤の時点で凍結されるため、過去の確定分は後からの改定の影響を受けない。エアレジ・スマレジなどの一般POSはこうした源泉計算や控除内訳の明細化に非対応で手計算になりがちで、ここが対比の訴求点になる。源泉とバックを含めた給与計算の全体像は「キャストバック」の機能ページ(https://yoruno.jp/reji/features/cast-back/)で、対応機能の一覧は機能ページ(https://yoruno.jp/reji/features/)で確認できる。
相場・注意点
天引き項目の相場(業界向けメディアの記載に基づく目安・公的統計ではない):源泉徴収=総支給の約10%(厳密には10.21%。一部の店は15〜20%引くが税務署への納付は10%で差額が店の収入になっているケースもある)。厚生費(雑費)=出勤1回あたり500〜2,000円、または給与の約10%。送り代=1回500〜3,000円(距離制の店もある)。ヘアメイク代=1回500〜3,000円。レンタル衣装(ドレス・靴)=1着・1足あたり500〜1,500円。罰金=無断欠勤で1万〜3万円程度など。実額は店ごとに大きく変動する。重要な注意点として、源泉徴収など税・社会保険料以外の控除(厚生費・罰金など)は、雇用契約の場合、労使協定がなければ労働基準法24条の賃金全額払い原則に反し違法とされうる。「天引き=合法」ではなく、適法性は労使協定の有無等によりケースバイケースである。
よくある質問
- 天引きされる「引かれもの」にはどんな項目がある?
- 代表格は誰でも避けられない源泉所得税(源泉徴収)です。これに加えて、店によって厚生費(雑費)・送り代・ヘアメイク代・衣装レンタル代・積立金・罰金などが差し引かれることがあります。源泉以外の項目は店ごとに有無も金額もまちまちで、送りやヘアメが無料の店もあります。
- 源泉徴収はどのくらい引かれる?
- 目安は総支給の約10%(厳密には10.21%)です。ホステス報酬の源泉徴収は『(報酬額 − 5,000円 × 計算期間の日数) × 10.21%』で計算され、5,000円×日数分が控除されてから税率がかかります。なお一部の店は15〜20%引くケースもありますが、税務署への納付は10%で差額が店側に残っている場合もあるため、明細で内訳を確認するのが安心です。
- 店都合の天引きは合法なの?
- 源泉所得税や社会保険料の控除は適法ですが、それ以外の控除(厚生費・罰金など)は、雇用契約の場合、労使協定(過半数代表との書面協定)がなければ労働基準法24条の賃金全額払い原則に反し違法とされうります。「天引きされている=合法」とは限らないため、内訳と根拠を確認することが大切です。
出典(11件)・監修
監修:中込 洸(日富士貿易 代表/夜レジ統括)。業務用語は実機仕様、相場・スラングは複数の業界情報を突合し敵対的レビューで検証。最終更新:2026-06-19。
- https://kyabel.com/media/article/2370/
- https://u-owls.org/rodoho_faq.html
- https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2807.htm
- https://kigyou.tszeiri.com/fuzoku/mizu-gensen/
- https://gns-tax.or.jp/media/tax-investigation-night-business-guide/
- https://cabawork.net/miscellaneous-expenses/
- https://emily-job.jp/column/money/811/
- https://online-caba.com/salary-system/
- https://note.com/kumaro/n/n01ce2233d9a3
- https://yoruno.jp/reji/features/
- https://yoruno.jp/reji/features/cast-back/