YORUNO POS ── 機能 / キャスト給与

キャスト給与・スライド時給

本指名売上・ポイント・保証時給からその日の最も高い時給を採る「スライド時給」を、労働時間で加重平均して自動計算。バック・源泉所得税・厚生費・給与率まで会計と連動し、報酬明細書として出力します。

✓ 全機能に含まれる(月額29,800円・税込)
夜レジの給与管理画面。キャストごとに出勤日数・労働時間・本指名売上・ポイント・バック・スライド時給・控除・支給額が一覧で集計表示されている
実際の管理画面「給与管理」── 出勤・本指名売上・ポイント・スライド時給・控除・支給額を一括集計

① 水商売の給与計算が複雑なのは「店ごとにルールが違う」から

水商売の給与は、時給制・スライド時給・給与率(給率)・各種バックが入り混じり、さらに源泉徴収や厚生費の引き方も店ごとに異なります。夜レジは、この店舗固有のルールを設定として再現し、会計・出退勤と連動して自動計算します。

同じ「キャバクラ」でも、ある店は本指名売上に応じてスライド時給が上がり、別の店はポイント制、また別の店は給率制です。源泉も「報酬から一律」か「ホステス控除あり」かで分かれ、厚生費も定率・定額・併用と分かれます。汎用の給与ソフトや一般POSがここでつまずくのは、水商売固有の計算(バック・スライド時給・ホステス源泉)を前提に設計されていないからです。

夜レジは水商売専用に、これらを1円単位の精度で扱うことを中核として設計しています。料金・バック率・時給などのマスタ値は伝票・出勤の時点でコピーして凍結するため、あとから改定しても確定済みの給与はさかのぼって変わりません。

② スライド時給とは? ポイント制・売上制・給率制・本指名制の違い

スライド時給とは、キャストの成績(本指名売上やポイント)に応じて時給が段階的に上がる仕組みです。夜レジは「本指名売上ベース」「ポイントベース」「保証時給」の各時給を求め、日ごとに最も高い額を採用します。

呼び方は店によって「売上スライド」「ポイントスライド」「給率制」などさまざまですが、要は「何を成績の指標にして、いくらの時給にするか」という条件設定の違いです。夜レジはこれをルール式(後述④)で表現するため、下記のどの方式にも同じロジックで対応できます。

方式成績の指標夜レジでの扱い
本指名売上ベース本指名でついた売上額売上から時給を算出する条件式
ポイントベース指名・売上から得たポイントポイントから時給を算出する条件式
給与率(給率)制本指名売上÷支払金額×100給与率を自動算出(→⑦)
保証時給体入・新人の最低保証保証期間中の下限として比較対象に

これらは排他ではなく、日ごとに3者(本指名売上ベース/ポイントベース/保証時給)を比べて最も高い額を採るのが夜レジの基本動作です(→③)。

③ 夜レジのスライド時給は「日ごとのmax × 労働時間の加重平均」で計算する

夜レジは各出勤日ごとに「本指名売上ベース時給・ポイントベース時給・当日保証時給」の最大値を採り、それを労働時間で加重平均して月の時給を出します。日によって時給が変わっても、働いた時間に応じて正しく合成されます。

「日替わりでスライド時給が変わるとき、月の時給をどう出すのか」は、競合のサービスがどこも公開していない論点です。単純な平均では、長く働いた日と短く働いた日が同じ重みになってしまい、現場の感覚と合いません。夜レジは労働時間で重みづけします。

その日の時給 = max(本指名売上ベース時給, ポイントベース時給, 当日保証時給)
月の時給 = floor( Σ(その日の時給 × その日の労働分) ÷ Σ労働分 )
日ごとの最大時給を、労働時間で加重平均(+手入力の調整時給)。
日①
売上ベース ¥2,800
保証 ¥2,500
→ max採用 ¥2,800
日②
売上ベース ¥2,200
保証 ¥2,500
→ max採用 ¥2,500
→ 各日を労働時間で加重平均 → 月の時給を確定

基本給(時給制)=労働時間×この時給。保証時給を持つ期間は当日保証額を下回りません。

④ 成績判定はルール式(DSL)で店舗ごとに自由設計できる

夜レジは「どの成績ならいくらの時給か」を、店舗ごとに条件式(ルール式)として文字列で定義できます。たとえば「本指名11本以上なら時給3,500円」「本指名売上8万円以上なら+300円」のような独自の閾値を、開発を待たずに設定できます。

条件式では {{本指名売上}} {{ポイント}} {{バック}} {{出勤日数}} {{本指名件数}} といった変数を使い、四則演算・比較・論理・ceil/floor/round に対応します。複数の条件が当てはまる場合は、優先度(昇順で最初に一致/最大値)で採用ルールを決められます。安全のため計算は許可した演算だけに限定し、上限値でクランプします。

これにより、店ごとに千差万別の「スライド表」を、紙やExcelの早見表ではなくそのまま計算ロジックとして持てます。

結果条件式

「この成績を満たすか」を判定(例:本指名売上≧80,000)。

時給条件式

満たしたときの時給を算出(例:基本時給+300、または固定3,500)。

⑤ ホステス報酬の源泉徴収を自動計算(報酬−5,000円×暦日数)×税率

夜レジは源泉所得税を2方式で自動計算します。ホステス報酬の控除方式では「(報酬 − 5,000円 × 計算期間の暦日数)× 税率」を採用。控除日数は出勤日数ではなく「暦日数」で、ここを正確に実装しています。

ホステス等の報酬・料金の源泉徴収では、支払金額から「5,000円 × その支払金額の計算期間の日数」を差し引いた残額に税率を掛けます(出典:国税庁 タックスアンサー No.2807)。この「日数」は暦の日数であって営業日数・出勤日数ではありません。多くの解説記事が「営業日数」と誤記している論点で、夜レジはここを暦日数で正しく実装しています。

既定方式 = ceil(報酬 × 税率)
ホステス控除方式 = ceil( (報酬 − 5,000円 × 暦日数) × 税率 )
暦日数:前期(1〜15日)=15日/後期=月末日−15/通期=その月の末日。
区分計算期間の暦日数
前期締め(1〜15日)15日
後期締め(16〜末日)その月の末日 − 15日
通期締め(月次)その月の末日(暦日数)

税率はスタッフ個別 → 種別 → 既定の順で適用します。源泉は常に切上で計算します。具体的な税率・控除額の適用や最終的な税務判断は、必ず税理士等の専門家にご確認ください(出典:国税庁 No.2807)。

⑥ 厚生費は3つの方式(定率・定額・併用)に対応

厚生費(送迎・ヘアメイク等の名目で控除する費用)は店ごとに引き方が違います。夜レジは「定額(月額そのまま)」「残額判定+半月繰越」「出勤日数×日額を月額上限でクリップ(日割り上限)」の3方式に対応します。
厚生費の方式計算の考え方
定額設定した月額をそのまま控除。
残額判定+半月繰越控除できる残額を見て計算し、引ききれない分を半月へ繰り越す。
日割り上限出勤日数 × 日額を、月額上限を超えないようにクリップして控除。

厚生費は所得税の後に計算します(残額計算で所得税の結果を使うため)。徴収タイミングは日次/定期(月次)から選べ、定期設定の店舗では日次率を0にして二重計上を防ぎます。

⑦ 給与率(給率)は「本指名売上 ÷ 支払金額 × 100」で自動算出

給与率(給率)は「本指名売上 ÷ 総支払額 × 100」で自動算出します。分母を明確に定義したうえで整数%として記録するため、給率制の店舗でも基準がぶれずにモニタリング・給与反映できます。

「給率の分母は何か」も、競合のページが触れていない論点です。夜レジは分母を総支払額と定義し、floor(本指名売上 ÷ 総支払額 × 100) で給与率を整数%として算出します(100%を超えることもあり得ます)。月次集計では、出勤日数・勤務時間・ポイント・本指名売上・バックとあわせて給与率も記録されます。

給与率(%)= floor( 本指名売上 ÷ 総支払額 × 100 )

⑧ 雇用形態(給与=雇用/報酬=業務委託)で計算を正しく分岐

夜レジは雇用形態(雇用=給与/業務委託=報酬)に応じて源泉・控除のロジックを分けて計算します。形態ごとに正しい引き方を設定できるため、計算の取り違えを避けられます。

雇用(給与所得)と業務委託(報酬)では、源泉徴収の扱いが異なります。夜レジは形態に応じた計算を設定として持てるため、店内に両方の契約が混在していても、それぞれに正しいロジックを当てられます。深夜帯の割増など労務面の取り扱いも含め、最終的な税務・労務の判断は税理士・社労士等の専門家にご確認ください。夜レジは「計算を透明にし、根拠を残す」ことで、その判断を支える土台を提供します(源泉の出典:国税庁 No.2807)。

雇用(給与)

給与としての控除ルールを適用。勤怠・時給を基礎に計算。

業務委託(報酬)

報酬としての源泉ルール(ホステス控除方式など)を適用。

⑨ 会計・出退勤・バックと連動し、締めから明細PDFまで自動

夜レジは会計(POS)→出退勤→各種バック→スライド時給→源泉・厚生費の控除→報酬明細書まで一気通貫です。Excelへの転記なしで、その夜の会計が給与計算まで通ります。

日次の給与は 総支給 = 基本給(時給制=労働時間×時給)+ バック + ボーナス、控除合計 = 入力控除(送迎・ヘアメイク・レンタル・その他・ペナルティ)+ 所得税 + 厚生費。手取り = floor(総支給 − 控除 − 前借・日払い) で算出します。集計は前期(1〜15)/後期(16〜末)/通期の3区分で行います。

夜レジが出力する報酬明細書。勤怠・支給(基本給と各種バック)・控除(所得税額・厚生費ほか)・差引支給額が記載されている
実際の出力「報酬明細書」── 勤怠・支給(基本給+バック)・控除(所得税額を含む)から支給額まで

バックの計算詳細は キャストバック自動計算 をご覧ください。

⑩ 計算ミスによる給与トラブルを、構造的に防ぐ

会計・出退勤・バックがそのまま給与に流れ、Excelへの転記がないため、転記ミスや関数の上書きが起きません。さらにバック率・時給などのマスタ値は計算時点で凍結され、改定しても確定済みの給与はさかのぼって変わりません。

「先月のバック率や時給を直したら、確定済みのキャスト給与までさかのぼって変わってしまった」——これは賃金トラブルや不信の原因になります。夜レジは計算時点の値を記録する設計なので、改定は今日以降にだけ効き、過去は守られます。

加えて、全操作・全変更は監査ログとして記録されるため、「いつ・誰が・何を変えたか」を後から追跡できます。報酬明細書には支給・控除の内訳を表示でき、キャストへの説明責任を果たす土台になります。

⑪ 業態別の対応

キャバクラ・クラブ・ラウンジ・スナック・ガールズバー・ホストクラブの、異なる給与体系に同一ロジックで対応します。スライド表・源泉・厚生費の方式を設定するだけで、お店のルールを再現できます。

キャバクラ/ラウンジ

本指名売上・ポイントのスライド時給と各種バックを、会計連動で自動集計。

クラブ・ホスト

給率制や高額売上のスライドも、給与率の分母を明確にしたうえで自動反映。

スナック/ガールズバー

シンプルな時給・少人数運用にも対応。保証時給や定額厚生費も設定可能。

⑫ よくある質問

スライド時給とは何ですか? どう計算しますか?
成績(本指名売上やポイント)に応じて時給が上がる仕組みです。夜レジは各出勤日ごとに「本指名売上ベース時給・ポイントベース時給・当日保証時給」の最大値を採り、それを労働時間で加重平均して月の時給を算出します。
スライド時給が日によって変わる場合、月給はどう計算しますか?
日ごとに採用した時給を、その日の労働時間で重みづけして加重平均します(floor(Σ(その日の時給×労働分)÷Σ労働分))。長く働いた日と短い日が同じ重みにならないため、現場の感覚と合います。
夜レジのスライド時給は本指名売上・ポイント・保証のどれで決まりますか?
日ごとに3者(本指名売上ベース時給・ポイントベース時給・当日保証時給)を比べ、最も高い額を採用します。保証時給を持つ期間は当日保証額を下回りません。
ポイントスライド制・売上スライド制・給率制の違いは何ですか?
成績の指標が「ポイント」か「本指名売上」か「本指名売上÷支払金額×100の給与率」か、という設定の違いです。夜レジはいずれもルール式(DSL)で表現するため、同じロジックで対応できます。
ホステス報酬の源泉徴収はいくら引かれますか? 5,000円控除の計算方法は?
ホステス控除方式では「(報酬 − 5,000円 × 計算期間の暦日数)× 税率」を切上で計算します(出典:国税庁 No.2807)。具体的な税率や最終判断は税理士にご確認ください。
源泉の控除日数は営業日数ですか、それとも暦日数ですか?
暦日数です。前期=15日、後期=月末日−15、通期=その月の末日で計算します。営業日数・出勤日数ではありません(出典:国税庁 No.2807)。夜レジはここを暦日数で正しく実装しています。
厚生費はどう計算しますか? 定率・定額どちらにも対応できますか?
「定額」「残額判定+半月繰越」「出勤日数×日額を月額上限でクリップ(日割り上限)」の3方式に対応します。所得税の後に計算し、徴収は日次/定期から選べます。
保証時給(体入・新人)はスライド計算にどう反映されますか?
保証期間中は、当日保証額が日ごとのmax比較の対象に入り、下限として機能します。成績ベースの時給が保証を上回ればそちらを採用します。
給与率(給率)はどの売上を分母に計算しますか?
分母は総支払額です。floor(本指名売上 ÷ 総支払額 × 100) で整数%として自動算出します(100%超もあり得ます)。
給与明細はキャストに自動で発行できますか?
はい。勤怠・支給(基本給+バック)・控除(所得税・厚生費ほか)・差引支給額を記載した報酬明細書として出力できます。

本記事は夜レジの実際の管理画面・計算仕様に基づきます。源泉徴収の取り扱いは国税庁 タックスアンサー No.2807 を参照しており、具体的な税務判断は税理士等の専門家にご確認ください。著者:中込 洸(日富士貿易 代表/水商売向けクラウドPOS「夜レジ」統括)/会社情報特商法表記/最終更新:2026年6月

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