① 水商売の会計は、なぜ普通のレジでは回らないのか
キャバクラ・クラブ・ラウンジの1枚の伝票には、時間で課金されるセット、フル/ハーフの延長、場内・本指名・同伴の指名料、ドリンクやボトルのオーダー、そこに掛かるサービス料とカード手数料が同居します。さらに支払いは現金とカードと売掛(ツケ)が混ざり、1卓を複数人で割り勘することも珍しくありません。
Airレジやスマレジのような一般POSは「商品会計」に最適化されているため、セット時間・延長の2段階・指名カテゴリ別・本指名売上バック連動・掛売の台帳分離といった夜の店の運用を素直に表現できません。夜レジは水商売専用に、テーブル管理から会計確定までを一つの計算系として設計しています。
② 夜レジの会計・テーブル管理でできること
| 領域 | できること |
|---|---|
| テーブル管理 | 卓グリッドで利用中/空席/延長確認を一覧。席移動・別卓(他テーブル)合算会計に対応。 |
| 料金の自動計算 | セット・延長フル/ハーフ・指名・オーダー・サービス料・カード手数料を会計時に自動集計。 |
| 支払い | 現金/カード/掛売の複合会計、1卓の割り勘、1枚の伝票の分割精算。 |
| 卓の操作 | 席移動、別卓会計、VIPルーム・個室のVIPチャージ。 |
| 証憑 | 領収書(宛名・但し書き入力)・レシート発行。 |
データは 席 → 伝票 → 明細(セット/指名/注文)+ 支払行 の4階層で整理されます。卓ごと・1日ごとの伝票として記録されます。
③ セット・延長・指名・サービス料を、入力なしで自動計算
夜レジの料金マスタは、時間帯(開始・終了時刻)と人数の組み合わせに対し、男女別のセット料金/延長フル/延長ハーフを「料金+時間」で個別に持てます。終了時刻は '25:00' のような表記で深夜跨ぎにも対応します。
セット + 延長 + オーダー料 + サービス料 + カード手数料 − 割引 + 別卓会計(店舗の丸め方式で処理)。サービス料 =
Σ(各オーダーの料金 × サービス料率)。各明細の中間値を 高い精度 で保持し、合算してから1回だけ丸めます。- 卓を開けて時間帯・人数を確定時間帯・人数・男女に応じたセット料金が、料金マスタから自動で当たります。
- 延長・指名・オーダーを入力延長はフル/ハーフの2段階。指名は場内/本指名/同伴を区別して入力します。
- 会計でサービス料・手数料まで自動集計サービス料・カード手数料・割引まで含めて合計を算出し、ワンタップで確定できます。
「延長して初めて指名バックが成立する」といった店舗ルールにも対応します。延長は キャストバック自動計算 とも連動します。
④ 現金・カード・掛売の複合会計と、割り勘・伝票分割に1画面で対応

「現金で一部、残りはカード」「3人で割り勘」「1枚の伝票を人数分に分けて精算」——夜レジはこれらを専用の画面でなく、通常の会計フローのまま処理します。夜レジの会計保存は、伝票ヘッダ+明細+支払行を一括でまとめて保存するため、途中で片方だけ保存されて数字がズレる、という事故が起きません。
明細の修正は「論理削除→新規追加」方式で、過去の状態を残したまま組み替えます。なお、バック計算との整合性を守るため、伝票への直接編集は禁止し、必ず正規の保存処理を通します。これは「会計を直したらバックや給与の数字が後から崩れた」を構造で防ぐための設計です。
複合会計
現金・カード・掛売を1伝票に複数の支払行として記録。内訳が明確に残ります。
割り勘・伝票分割
同一伝票に支払行を複数。1枚を人数分に分けても、合計の整合は保たれます。
⑤ 席移動・別卓会計・VIPチャージ──夜の店ならではの卓操作
客の卓移動、合流による別卓合算、VIP個室のチャージ——一般の商品会計POSが想定しない操作も、夜レジは卓管理の標準機能として備えています。VIPチャージは席マスタの 卓の設定 と料金マスタで管理し、人数依存/非依存・2セット目以降なしといった店舗ごとの運用差をそのまま再現できます。
⑥ 1円単位の精度と、店舗ごとの丸め設定(切上/切捨/四捨五入)
これは競合のサービスがどこも触れていない論点です。サービス料やバックを「明細ごとに丸めて足す」と、件数が増えるほど誤差が積み上がります。夜レジは中間値を高精度のまま保持し、最後に1回だけ丸めることで、この誤差を構造的に防ぎます。システムの作り直しの際にも「1円単位の精度」を要件として担保しています。
| 項目 | 夜レジの扱い |
|---|---|
| 金額 | 整数(円)で保持 |
| 料率 | 小数で保持 |
| サービス料の中間値 | 高い精度 で保持し、合算後に1回だけ丸め |
| 丸め方式 | 切上/切捨/四捨五入 × 1円/10円/100円単位 |
| 適用先 | 顧客支払い用とスタッフ支払い用で別々に設定可 |
⑦ 料金を改定しても、過去の会計は1円も変わらない
「料金を上げたら、先月の数字まで狂った」——これは経営者にとって最大級の不安です。夜レジは会計確定の瞬間に、店舗マスタから伝票へ料金・税率・サービス料率をコピーして固定します。改定は今日以降の会計にだけ効き、確定済みの過去は守られます。
これは料金だけでなくバック率・税率にも共通する夜レジ全体の設計思想であり、競合の「機能名だけ」のページには書けない一次仕様です。
⑧ 全操作を記録するから「言った・言わない」の会計トラブルを防げる
カードへのTAX・サービス料の上乗せは、客との「ぼったくり疑念」やクレームの種になりがちです。夜レジは会計の履歴がすべて残るため、「いつ・誰が・何を変えたか」を後から追跡でき、トラブル時に客観的な記録で説明できます。削除は実際にデータを消すのでなく、表示を切り替えるフラグで履歴を保全します。
会計の透明性は、客への説明責任だけでなく、改正風営法・税務対応・内部不正対策の土台にもなります。詳しくは 権限・監査ログ をご覧ください。
⑨ 掛売(ツケ)は、当日の現金売上と構造的に分離
「手持ちが足りないからツケで」という実務に、夜レジは最初から対応しています。掛売分を当日現金と混ぜてしまうと、レジの現金が合わなくなります。夜レジは掛売を記録した時点で台帳上は現金0・売掛として分離し、日報の生集計で 売掛金 を独立して算出します。
売掛の回収・管理の流れは 売上・売掛管理 をご覧ください。
⑩ 営業中の入力から、締め作業・給与計算まで一気通貫
会計確定の瞬間に、夜レジはその卓のバックを自動生成します。会計を再オープンするとバックは自動で取り消され、整合性が保たれます。つまり会計→バック→給与→分析が一本の流れでつながり、「会計を締めるだけで給与計算の素地まで整う」状態を目指せます。
締め後に伝票を見返してバックを手計算し直す、という月末の作業が構造的に発生しません。バック計算の詳細は キャストバック自動計算、給与・源泉までの流れは キャスト給与・スライド時給 をご覧ください。
⑪ 他の水商売POS・一般POSとの、会計機能の違い
| 一般POS(Airレジ等) | 夜レジ | |
|---|---|---|
| セット時間・延長フル/ハーフ | 非対応 | 時間帯・人数・男女別マスタで自動 |
| 現金/カード/掛売の複合会計 | 商品会計が前提 | 1伝票に複数支払行で整合処理 |
| 1円単位の丸め設定 | 言及なし | 方式×桁を顧客/スタッフ別に設定 |
| 料金改定しても過去が不変 | — | 伝票時点でマスタ凍結 |
| 会計操作の監査ログ | — | ジャーナル+アクセスログで全記録 |
| 掛売の当日現金からの分離 | — | 台帳で構造的に分離 |
夜レジは実機(卓グリッド・ワンタップ会計・複合会計)の画面を根拠に提示できます。機能名だけのページとは、情報の深さが異なります。
⑫ よくある質問
水商売・キャバクラの会計は、普通のPOS(Airレジ・スマレジ)で対応できないのですか?
セット料金・延長(フル/ハーフ)はPOSで自動計算できますか?人数や男女で料金が違っても大丈夫ですか?
現金とカードと売掛(ツケ)が混ざった会計や、1卓を複数人で割り勘する会計はできますか?
1枚の伝票を人数分に分けて(伝票分割)精算できますか?
サービス料・TAX・カード手数料は自動で計算されますか?端数(1円)はどう処理されますか?
席移動や別卓(他テーブル)との合算会計、VIPチャージはできますか?
後から料金やTAX率を変更したら、過去の伝票の金額も変わってしまいませんか?
掛売(ツケ)で帰った分は、当日の現金売上と分けて管理できますか?領収書は宛名・但し書きを入れて発行できますか?
本記事は夜レジの実際の管理画面・計算仕様に基づきます。著者:中込 洸(日富士貿易 代表/水商売向けクラウドPOS「夜レジ」統括)/会社情報・特商法表記/最終更新:2026年6月。源泉所得税など税務の取り扱いは国税庁タックスアンサー No.2807 を参照のうえ、最終判断は税理士にご相談ください。
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