定義
客が席に着いた直後、注文の有無にかかわらず最初に出される小鉢料理・おつまみのこと。注文した品が届くまでの「つなぎ」として提供される一品で、有料が一般的。
水商売(スナック・キャバクラ・ラウンジなど)では、お通し単体で課金されるより、セット料金(チャージ)の中に氷・割り物・かわき(乾き物のお菓子)などとまとめて含まれて出される形が主流。本来は注文料理が出るまでの「料理」だが、現代では席料(テーブルチャージ)に近い性格を強く持ち、客単価を底上げする収益システムとして機能している。
読み・由来
読み:おとおし
語源は諸説あり、有力なのは「客の注文を厨房(帳場)に通した」「客を席に通した」という合図・確認の意味からとする説。制度自体は昭和10年頃に始まったと推測される(居酒屋文化は江戸期からあるが、お通しは比較的新しい慣習)。関西で使う「突き出し」は「客の注文に関係なく店が突き出す」ことが語源とされる。日本料理の「先付け」とほぼ同義。いずれも明確な史料的裏付けはなく、諸説の域を出ない。
使い方(例)
「セット料金には氷・割り物・かわきとお通しが含まれてるよ」
「お通しいらないって言っても、席についた時点でチャージはかかるからね」
業態による違い
居酒屋・バーでは「お通し代」を単独で明示請求する(相場200〜500円、高い店は1,000円超)。一方、スナック・ラウンジでは単独課金より、セット料金(席料)に氷・割り物・かわき・お通しを一括して含む形が中心。キャバクラ・クラブも同様にセット料金へ席料・ハウスボトル・チャーム(=お通し相当の軽いつまみ)等を含む。ガールズバーはチャージ自体を設けずドリンク単価で回収する店が多く、お通しは簡素または無しの傾向。地域差として関東「お通し」/関西「突き出し」があり、突き出しは量・価格ともやや上で一品料理に近い傾向。
相場・注意点
水商売では、お通し単体の代金を明示するケースは居酒屋ほど多くなく、スナック・ラウンジではセット料金(チャージ料、相場3,000〜7,000円・飲み放題込みの店もある)の中に氷・割り物・かわき・お通しがまとめて含まれる形が主流。重要な実務ポイントとして、お通しやかわきを「いらない」と断っても、席に着いた時点で課金されるセット料金は変わらない(=実質的な席料)。バー等では同義の「チャーム」、料理を伴わず席料のみの「チャージ(テーブルチャージ/カバーチャージ、伝票でT/C表記)」とは本来別概念だが、店によっては混同・併記される。伝票上の表記(お通し/チャージ/T/C/セット込み等)や相場は店ごとにバラつきが大きく、業態横断の統一ルールはない。
よくある質問
- お通しを断れば料金は安くなる?
- 水商売では基本的に変わりません。スナックやラウンジでは、お通しは単独料金ではなく「セット料金(チャージ)」の中に氷・割り物・かわきなどとまとめて含まれていることが多く、お通しを断っても席に着いた時点でかかるセット料金(実質的な席料)はそのままです。
- お通しと突き出しは違うもの?
- ほぼ同じものを指します。一般に関東で「お通し」、関西で「突き出し」と呼ぶ地域差で、突き出しのほうが量・価格ともやや上で一品料理に近い傾向があるとされます。
出典(9件)・監修
監修:中込 洸(日富士貿易 代表/夜レジ統括)。業務用語は実機仕様、相場・スラングは複数の業界情報を突合し敵対的レビューで検証。最終更新:2026-06-19。
- https://oggi.jp/6730028
- https://macaro-ni.jp/37219
- https://pro.gnavi.co.jp/magazine/t_res/cat_6/a_4913/
- https://yoatori.com/price-system/216/
- https://lounge-tapioca.com/info/5503/
- https://nightwork-list.com/article/cabakura-charge-shimei-ryokin-taikei-2026/
- https://www.pokepara.jp/media/girls-bar/
- https://key-diff.com/otoshi
- https://gourmet-note.jp/posts/12563