GLOSSARY / 水商売用語

色恋営業いろこいえいぎょう

業界スラングホストクラブ

キャストやホストが客に対して恋愛感情があるかのように振る舞い、疑似恋愛を体験させることで指名・同伴・高額注文・リピート来店につなげる営業手法。

定義

キャストやホストが客に対して恋愛感情があるかのように振る舞い、疑似恋愛を体験させることで指名・同伴・高額注文・リピート来店につなげる営業手法。「従業員と客」の関係を超えて「恋人同士」のように錯覚させる点が核。

業界(キャスト・求人側)の説明では、客も「大人の遊び」として疑似恋愛を割り切って楽しんでいることが成立条件とされ、客が割り切れず本気になる「ガチ恋」化はトラブル要因とされる。一方で消費者保護の文脈では、相手の恋愛感情に乗じ、金を使わないと関係が破綻すると示唆して金銭を使わせる手法と否定的に位置づけられる。

ホスト用語では本営(本命営業)・友営・枕営業などと並ぶ営業スタイルの一つとされ、業界の説明では最も基本的・スタンダードな手法、新人がまず取り組む位置づけとされることが多い。「色恋⇒本営」と段階を進める運用も語られるが、語の使い方には店・地域による揺れがある。

読み・由来

読み:いろこいえいぎょう

水商売・ナイトワーク(特にホストクラブ、キャバクラ、セクキャバ)の業界スラング。「色恋(いろこい=色情と恋愛、男女間の情愛)」+「営業」の合成。ホスト用語体系では各種営業スタイル(本営・友営・枕営業・病み営業・オラオラ営業など)の一つとして整理される。口語では「いろえい(色営)」「いろこい(色恋)」と略されることが多い。

使い方(例)

「あの子は色恋でいってる客が多い」(色恋営業で囲っている客が多い、の意)

「色営かけてるけど枕はしてない」(恋愛感情は匂わせるが肉体関係はもたない、の意)

業態による違い

ホストクラブ:最もスタンダードな主力営業とされる。「本営(本当の彼女と信じさせる)」はその発展形とされ、色恋⇒本営⇒(場合により枕)と段階を進める運用が語られる。客が本気になりやすくトラブル化しやすい。

キャバクラ:指名・同伴・売上アップの代表的営業の一つ。客も疑似恋愛を楽しむ前提で割り切れば成立と説明される一方、ガチ恋化のリスクが強調される。

セクキャバ:指名獲得の手段として用いられるが、性的接触を伴う業態特性上、色恋と枕営業の境界が問題になりやすい。

総じて、客も承知の「疑似恋愛の演出」とみる見方と、客を本気で錯覚させ金銭を引き出す「だます手法」とみる見方が、業態・立場(キャスト側/客側/消費者保護)で揺れる。

相場・注意点

2025年に法規制が前進した。改正風俗営業法(令和7年法律第45号)は2025年5月20日に成立、2025年5月28日に公布され、不許可事由の追加など一部規定を除き、公布から1か月後の2025年6月28日に施行された(不許可事由の追加に係る規定は公布から6か月後の2025年11月28日施行)。施行された改正には、接待飲食営業者の遵守事項として、客が接客従業者に好意を抱き、かつ従業者も自分に同様の感情を抱いていると客が誤信していることを知りながら、これに乗じて「飲食等をしなければ関係が破綻する」「従業者が降格等の業務上の不利益を被る」等を告げて客を困惑させ飲食等をさせる行為の禁止(俗にいう「色恋営業」規制)が含まれる。ただし恋愛感情を匂わせる接客そのものを一律に禁じたわけではなく、上記の告知・困惑による飲食誘導が対象である点に注意。あわせて、注文していない飲食等の提供、料金の虚偽説明、売掛金の支払い等をさせる目的での威迫、売春・性風俗店勤務・AV出演等の要求(勤務強要)、スカウトバックも規制・罰則の対象となった。 これに先立ち2023年11月30日、消費者庁は「ホストクラブなどにおける不当な勧誘と消費者契約法の適用について」を周知し、ホストクラブ等での飲食契約(特に売掛金をめぐるもの)が、恋愛感情に乗じて関係破綻を告げる等の不当な勧誘=いわゆる「デート商法」(消費者契約法第4条第3項第6号)の要件を満たせば、消費者が取り消せる可能性があるとの見解を示した(民事ルールのため、最終的には個別事案ごとに司法判断となる)。色恋営業もこの要件を満たせば取消し対象となり得る。売上手法としての色恋への依存は、コンプライアンスとストーカー化・金銭トラブル等の客トラブルの両面でリスクが高まっている。 なおスカウトバック禁止(改正風営法28条13項)の名宛人は『性風俗店を営む者』であり、ホストクラブ・キャバクラ等の接待飲食店が色恋営業そのもので同条の処罰対象になるわけではない(混同に注意)。

関連用語

本営(本命営業)枕営業色恋管理色カノ(色彼色彼女)ガチ恋友営(友達営業)同伴アフター太客エース

よくある質問

色恋営業は違法ですか。
「恋愛感情を匂わせる接客」そのものを一律に禁じる法律はありません。ただし2025年6月28日施行の改正風営法(令和7年法律第45号)は、接待飲食営業者の遵守事項として、客が相互に好意を抱いていると誤信しているのに乗じ、飲食等をしないと関係が破綻する・従業者が降格等の不利益を被ると告げて客を困惑させ飲食等をさせる行為を禁止した(違反は営業改善指示・営業停止等の行政処分の対象)。また2023年11月30日には消費者庁が、ホストクラブ等の飲食契約が恋愛感情につけ込む不当勧誘=デート商法(消費者契約法第4条第3項第6号)の要件を満たせば取り消せる可能性があるとの見解を示している。正確な条文・施行日は官報や警察庁・消費者庁の一次資料でご確認ください。
色恋営業と本営(本命営業)の違いは。
色恋営業は恋愛感情を匂わせて疑似恋愛を演出する手法全般を指し、本営はそのなかでも「本当の彼女・彼氏だと信じ込ませる」より深い段階とされます。ホスト用語では色恋⇒本営と進める運用が語られますが、現場では語の使い方に揺れがあります。
色恋営業と枕営業は同じですか。
違います。色恋営業は恋愛感情を匂わせる接客で、必ずしも肉体関係を伴いません。「色営かけてるけど枕はしてない」という言い方があるとおり、肉体関係を持つ枕営業とは区別されます。セクキャバなど性的接触を伴う業態では両者の境界が問題になりやすいとされます。
出典(8件)・監修

監修:中込 洸(日富士貿易 代表/夜レジ統括)。業務用語は実機仕様、相場・スラングは複数の業界情報を突合し敵対的レビューで検証。最終更新:2026-06-19。

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