① 夜レジの料金・税設定でできること
「料金マスタを変えただけで、確定済みの売上や給与が遡って変わってしまった」——これは経営判断の根拠を揺るがし、キャストとの信頼を壊します。夜レジは料金マスタを伝票時点・出勤時点でコピー凍結する設計のため、改定は今日以降にだけ効きます。これが他の汎用POSにはない、夜レジの仕様レベルの差別化です。
② セット料金の設定 ── 時間帯・人数・男女・業態別に自由設計
水商売のセット料金は「平日のレディースは2,000円、土曜の男性は5,000円、深夜以降は男性のみ7,000円」というように、複数の条件で細かく分かれることが珍しくありません。夜レジは時間帯・人数・男女・延長などの条件を組み合わせたセット定義を作れるため、料金体系をそのままデジタル化できます。会計時には自動で正しいセット料金が選ばれます。
- 時間帯別 19時台/20時台/23時以降など、時間帯ごとに料金を変えられる。
- 人数別 1名・2名・3名以上などで料金を変えられる。
- 男女別 男性/女性/指定なしで料金を変えられる。
- 延長別 延長フル・延長ハーフでそれぞれ料金を持つ(バック対象の有無も設定可)。
③ サービス料率の設定 ── 中間計算は高精度のまま1円単位に丸める
サービス料20%・25%・30%などの設定が一般的ですが、「税抜小計に対して」「合計に対して」「特定カテゴリのみ」など計算ルートで端数の出方が異なります。夜レジは金額・率・サービス料の中間値を高い精度で保持し、最終の丸めだけを行うことで、複数会計を合算しても誤差が出ない設計になっています。
サービス料の計算は 会計・テーブル管理 の中で実際に動きます。
④ 税率の設定 ── 消費税・酒税の改定にも追従
消費税率の改定が起きると、多くのPOSで「過去の数字をどう扱うか」が問題になります。夜レジは伝票時点で税率もコピー凍結するため、改定後に過去の集計を出しても、当時の税率での金額がそのまま見えます。「税率改定で過去数字が変わってしまった」という事態を構造的に避けられます。
税務上の最終判断は税理士にご確認ください。源泉徴収の扱いは 給与計算 ページおよび国税庁 タックスアンサー No.2807 をご覧ください。
⑤ 丸め設定 ── 切上・切捨・四捨五入を店舗別に選択
サービス料・税の計算で必ず出る端数。一般POSは「切捨て一律」のことが多く、店舗ごとの方針差を表現できません。夜レジは丸め方式と丸め単位を分けて設定できます。「サービス料は切上で、税は四捨五入」のように、要素ごとの丸めも調整できます。
- 丸め方式 切上/切捨/四捨五入。
- 丸め単位 1円/10円/100円。
- 顧客向け/キャスト給与向けで別設定 顧客請求は切捨、キャスト給与は切上、などの分離設計が可能。
⑥ 料金改定は「今日以降」にだけ効く ── 過去不変の原則
これは仕様書レベルで設計に組み込まれた「過去不変」の原則です。多くの汎用POSは料金マスタを動的に参照するため、料金を変えると過去の集計も変わってしまいます。夜レジは伝票確定時に、料金・税率・バック率・サービス料率をその時点の値でコピーして固定するため、後から設定を変えても過去のレコードは1円も変わりません。
⑦ 店舗ごとに独立した設定 ── グループ店でも完全分離
多店舗運営では「グループ統一料金」と「店舗別カスタム」の両方が求められます。夜レジは設定の単位を店舗にしているため、本部から全店共通の方針を流すこともできれば、店舗ごとに独自の料金体系を持つこともできます。本部ダッシュボードからは、店舗ごとの料金設定を一覧で確認できます。
⑧ 変更履歴 ── 料金改定の記録がすべて残る
料金マスタは売上と給与の根幹に直結します。これを「いつ・誰が・どう変えたか」が追えない運用は、内部統制の観点でリスクです。夜レジは料金設定の変更履歴を残し、操作した人まで記録するため、税務調査や内部監査での説明責任に応えられます。詳細は 権限管理・監査ログ をご覧ください。
⑨ 業態別の料金設計
業態によって料金体系が大きく異なります。夜レジは同じ料金設定の仕組みで業態ごとの違いを吸収します。
- キャバクラ/ラウンジ 時間帯×人数×男女のセット料金、指名チャージ、延長フル/ハーフを詳細設計。サービス料20-25%が一般的。
- クラブ・ホスト 高額セット・延長料金。サービス料25-30%。高い丸め単位(100円)での運用も。
- スナック/ガールズバー シンプルなセット料金。サービス料なしでもOK。少人数店舗の柔軟な料金設計に対応。
⑩ 一般POSとの違い ── なぜ汎用POSでは水商売の料金設定が難しいのか
| 項目 | 一般POS | 夜レジ |
|---|---|---|
| 商品単価設定 | ○ | ○(1円精度) |
| 時間帯×人数×男女のセット料金 | 限定的 | 多軸で自由設計 |
| 延長フル/ハーフ | 非対応 | 個別料金+バック対象設定 |
| サービス料の中間精度 | 整数で計算 | 高精度で保持 |
| 店舗別の丸め方式・単位 | 一律設定 | 店舗別+要素別で個別設定 |
| 料金改定後の過去不変 | —(変動する) | 凍結して完全保護 |
| 料金変更の記録 | 限定的 | 全変更を記録 |
⑪ よくある質問
セット料金は時間帯・人数・男女で別々に設定できますか?
料金を改定したら、過去の伝票や売上集計は変わりますか?
サービス料率はどう設定しますか?端数の処理はどうなりますか?
消費税率の改定にはどう対応しますか?
端数の丸め方は店舗ごとに変えられますか?
グループ店で店舗ごとに料金を変えられますか?
料金変更の履歴は残りますか?
延長料金とバック対象の関係はどう設定しますか?
一般POSの料金マスタとは何が違いますか?
本記事は夜レジの実際の管理画面・データ仕様にもとづきます。著者:中込 洸(日富士貿易 代表/水商売向けクラウドPOS「夜レジ」統括)/会社情報・特商法表記/最終更新:2026年6月。税務上の最終判断は税理士にご確認ください。
