定義
先端が鋭く尖った、氷を割る・削る・砕くための金属製の道具。氷屋から仕入れた大きな氷塊(貫目氷・純氷)や製氷機の氷を、ロック用の丸氷・シェイク用の小さめの氷など用途別に仕込むときに使う、現場の基本備品。刃が1本のもの(1本刃・ノーマルタイプ)と、2本・3本・6本など複数に並んだもの(複数刃タイプ)があり、さらに登山ピッケル風のヘッドを持つ「ピッケルタイプ(アイスピッケル)」など形状にバリエーションがあって、それぞれ得意な作業がやや異なるとされる。
読み・由来
読み:あいすぴっく
英語 "ice pick"(氷を砕く錐)に由来する外来語。バーテンダー用語としてそのまま定着している。なお「ピッケル(アイスピッケル/ピッケルタイプ)」は、登山用ピッケルのような重みのあるヘッドと鋭い刃先を持つ1本刃タイプの呼称で、新潟県燕市の山忠(ヤマチュウ)の「アイスピッケル」などが代表例とされる。複数に分かれた刃そのものを指す呼び名ではなく、複数刃のものは一般に「2本刃」「3本刃」などと呼ばれる。
使い方(例)
「開店前に、届いた貫目氷をアイスピックで丸氷とシェイク用に仕込んどいて」「大きな塊は3本刃でザクザク割って、丸氷の角は1本刃で少しずつ落として仕上げるといいよ」
業態による違い
氷にこだわるオーセンティックバーやラウンジ・クラブでは、大きな氷塊を仕入れて手仕込みで丸氷を作るため必須の道具。一方、製氷機や市販のロックアイス(袋氷)が中心のスナック・ガールズバーなどでは出番が少なく、固まった氷をほぐす程度の利用にとどまることが多い。手仕込みの丸氷を出すかどうかは、その店のドリンク品質を示す要素にもなる。なお氷の砕き方そのものは業態差というより、店やドリンク種別・スタッフの好みによる運用差の側面が大きい。
相場・注意点
道具自体は汎用品で、家庭用の1本刃なら数百円〜2,000円前後、業務用や複数刃・デザイン性の高いモデルはやや高め(おおむね数千円台)が一つの目安とされる。業務用としては安価な備品の部類だが、確定的な統一相場の一次情報は確認できる範囲では見当たらない。先端が鋭利で扱いに危険が伴うため、氷を持つ手は下から支え、刃が指へ向かないよう構えるのが基本。刃が短いタイプや安全カバー付きは、突き刺し事故のリスクを下げやすいとされる。
関連用語
よくある質問
- 1本刃と複数刃(3本刃など)はどう使い分けるの?
- おおむね、複数刃(3〜6本)は刃に力が分散して安定するため、大きな氷を素早く割る・砕いてクラッシュアイスにするほか、初心者でもまっすぐ割りやすく成形にも使えるとされます。1本刃は刃先の角度を細かく調整できるため、丸氷の角を落として仕上げる・面取りするといったカービング寄りの作業に向くとされます。どちらでも丸氷は作れ、店や作る氷・好みによって使い分けるのが実情で、諸説あります。
- ピッケルタイプ(アイスピッケル)って何?
- 登山用ピッケルのような重みのあるヘッドと、鋭い刃先を持つ1本刃タイプの呼称とされます。重みを生かして割れ、刃先のコントロールがしやすいため、丸氷の細工など繊細な加工に向く一方、刃が鋭く扱いに慣れが必要な上級者向けとされます。複数に分かれた刃を指す言葉ではありません。
- 氷をきれいに割るコツは?
- 重みを生かして突き、ひと突きで割ろうとせず氷の表面より少し下に刃を届かせるイメージで力を入れすぎないのがコツとされます。割ったあとはペティナイフなどで面取りすると形が整います。
出典(6件)・監修
監修:中込 洸(日富士貿易 代表/夜レジ統括)。業務用語は実機仕様、相場・スラングは複数の業界情報を突合し敵対的レビューで検証。最終更新:2026-06-19。